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チャヴ

チャヴ 弱者を敵視する社会 オーウェン・ジョーンズ 著 依田 卓巳 訳 Chavs: The Demonization of the Working Class (2011) 海と月社(2017)を読みました。 大筋は現代イギリスにおいて 労働者階級(特に若者)が Chav と呼ばれており、残りの人々の嘲笑の対象になっている 背景として、サッチャー政権(保守党)からブレア政権(労働党・ニューレイバー)に続く 新自由主義 が鉱工業を崩壊させ、自己責任論とともに労働者階級をケアしなかったことにある ということかと思います。著者は、労働者階級が国策の結果困窮しているのに国中で嘲笑の対象にしていることに怒っているわけです。全体的にイギリスの社会状況に深く根ざした現象であるように見えますが、以下日本と比較してみます。 Chav vs. マイルドヤンキー マイルドヤンキー は(概ね世襲するのでその点で階級といえるかもしれませんが)、メディアでそれほど取り上げられてはいないようです。鉱工業の従業員と関係するイメージもないようです。 労働者階級 イギリスの「労働者階級」は18世紀以来の歴史があり、この本で書かれていることが合っていれば、徹底的な(新自由主義による)階級闘争によって壊滅させられたというかなり特異な位置づけを持っているようです。日本でも炭鉱はなくなりましたが、工業はイギリスよりは健在のようです。ただ、グローバリゼーションによる産業空洞化や、新自由主義による非正規化の波はどちらの国でも押し寄せています。 労働党と日本の野党 産業構造の変化で旧左派政党が壊れていったのは同じです。日本では政権交代が機能しなかったので、新自由主義の野党がそれほど大きくなるという事態はまだ見ていません。 自己責任論 日本ではおそらく21世紀になる頃から人口に膾炙するようになった気がします(2004と2015の人質事件のせいかもしれません・ Google Trends )。全般的にはサッチャリズムを源流とする新自由主義の流れがあったということですね。 日本の未来? この本が取り上げている問題の本質がイギリスの階級意識とサッチャリズム以降の新自由主義だとすると、前者については日本の階級意識に規定され、後者は一世を風靡したものの現在主流かというと微妙なので、