虐殺器官

アニメ映画を見たので少しだけ感想(少し設定上のネタバレあり)
(原作は読んでいないので、あくまでアニメ映画版の感想)

  • 近未来軍事SFで、世界を舞台としたものとしてはおそらく今までで最も「リアル」にみえる(専門家ではないので本当にリアルかどうかは知らない)。
    (士郎正宗氏原作の映画はどちらかというと架空の世界を舞台としている。)
  • 主人公以外の登場人物については、人種的特徴も含めひたすら「リアル」に描き込まれている(やればできるじゃん)。ほとんどロトスコーピング的でもある。
  • そのため、かなりハリウッド映画っぽく見える。
  • 主人公(たち)は(アニメ作品では世界のどこでもみられるように)おそらく営業上の理由により人種的特徴が薄められており、軍人にしては線も細いが、かろうじてコーカソイドと認識できる。
  • リアルにした代償か、しばしば主人公らの登場人物が同一人物なのかどうかわからなくなることがある。ときたま作画崩壊状態に陥っているようにも見えた。
  • ほとんどモンゴロイドが登場しない。現在のハリウッド映画よりさらにモンゴロイドに欠けているかもしれない。
    日本のアニメにおいて(特に多人種的な設定で)モンゴロイドが(日本人も含め)リアルに描かれることはあまりないかもしれない。
    逆に国内の人種構成のため、日本国内では多人種的な「実写」映画を作ることも困難である。
  • 設定で中欧、東欧をとりあげているのは、今まで娯楽映画であまり取り上げられていないという点で営業上のポイントがある。日本の多くの観客にとってグルジア(ジョージア)語ははじめてであろう。
  • 話は(いい意味で)まだ続くのと思うぐらいてんこ盛り。
  • ヒロインの台詞はややメロドラマ調(脚本のせいなのか役者のせいなのかは不明)。
  • カフカ、サピア・ウォーフ、生成文法、地域通貨と行った衒学的要素をテーマと絡めた形で導入している。こうした要素は(成功しているかどうかはともかく)この作品を特徴づけている。
    (生成文法を提唱したチョムスキーは政治思想の論客として知られるが、原作では言及しているのだろうか。)
  • 主たる設定となる犯罪の動機は、開発途上国からのテロリストが先進国に向かうのを阻止するために、開発途上国内で内戦を起こさせるというものである。動機が病的すぎるところはリアリズムを損ねているかもしれない。(最初のシーンに立ち返ると、テロリストが核兵器を使用しはじめたという設定が究極の恐怖になっているのではあるが、途中ではフィルターバブルにつつまれていたいだけのような会話になっていたりもする。)
  • と書きつつ Wikipedia を見ると、衝撃のラスト(映画では曖昧に示唆されているのみ)の記述があった。容赦ないですね...

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