ポーランド語・ウクライナ語同時学習その1(文字と発音)

ウクライナでの戦争が一刻も早く終結することを願いつつ、ポーランド語・ウクライナ語同時学習をはじめます。

はじめに

ポーランド語とウクライナ語は共にスラブ語派に属しますが、ポーランド語はチェコ語・スロバキア語とともに西スラブ語群に属し、ウクライナ語はロシア語とともに東スラブ語群に属します。他に旧ユーゴスラビア(=南スラブの国)諸国では南スラブ諸語が話されます。ウクライナは地理的にポーランドとロシアに挟まれており、ウクライナ語もポーランド語の影響を受けているということなので、今回学習ではウクライナ語とポーランド語、ロシア語の関係を主に見ていくことにします。以前学習したクロアチア語(南スラブ語)などの情報を載せたりもする予定です。

ニューエクスプレス+の『ポーランド語』と『ウクライナ語』を主な教科書として用います(以下断定調で書いてあるところは単なる受け売りです)。

ポーランド語の文字と発音

アルファベットはこちら(Wikipedia)

次の箇所が注意をひきます:

  • ę /ɛ̃/(鼻母音 ɛの上に~ [うまく表示されない];フランス語とは違い「エン」っぽい)
  • ą /ɔ̃/(鼻母音 ɔ の上に~ [うまく表示されない])
  • ł /w/:L字に斜め棒
  • ó=u /u/
  • ż=rz /ʐ/:ロシア語の ж、中国語の r と同じとのこと
  • ch=h /x/
  • w は /v/
  • y は /ɨ/
で、昔「ワレサ氏」と呼ばれていたポーランドの指導者は「Lech Wałęsa氏」で、カタカナ読みは「レフ・ヴァウェンサ」ということになります。

もう一つの注意点は子音に硬子音と軟子音の区別があることです。
軟子音は大雑把には日本語のニャニュニョ(開拗音)っぽい、後に「i/j」の響きがある子音です。後に来る母音によって軟子音かどうか識別できない場合は、ć, ń, ś, ź という特別な文字で表記します。

ウクライナ語やロシア語でもこの区別は重要視されます。なお、南スラブ語ではあまり重要視されないようです。

あとよくある現象ですが、有声子音は語末や無声子音の前で無声化したりします。

ウクライナ語の文字と発音

アルファベットはこちら(Wikipedia)

次の箇所が注意をひきます:
  • г/h/ と ґ /g/:ロシア語、ブルガリア語、セルビア語では гは /g/
  • е/ɛ/ と є /je/:ロシア語と発音が逆転している。
  • и/ɨ/:ロシア語のы
  • і /i/, ї /ji/, й/j/:どれも「イ」に聞こえる。
  • щ /ʃt͡ʃ/:ロシア語では/ʃ/を長く摩擦しながら発音
    これでなぜ「борщ」が「ボルシチ」なのかの謎が解けた。
軟音記号はь(ロシア語と同じ)、硬音記号は '(ロシア語ではъ)
вは語頭・音節のはじめで後に母音が続くか母音に挟まれる時は /v/ そうでなければ「ウ」の音となる(なのでКиївは「キーウ」)。
у/u/ は母音のあとでв/v/ に変わることが普通とのこと。



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