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金子文子と朴烈(박열 2017)

概要とキャストについては Wikipedia を見ていただくとして、若干のコメントです。 主役2名の演技がチャーミング 関東大震災時および 朴烈事件 時の内務大臣代行の 水野錬太郎 が主たる敵役として(悪役的にしかしかなりの切れ者として)描かれている。なお、韓国語版Wikipediaには「日本では著作権法を制定する際、著作権保護を推進した人物として有名だが、韓国では関東大震災当時、内務大臣として朝鮮人に対する国民の悪感情を助長し、虐殺事件を起こした張本人としても有名だ」とある。 他にも判事役や看守役などの日本人キャラクターがよく練られていると感じられる。 法を守ろうとする多くの日本人が描かれるが、結果として悲劇が起きる。 内閣でも同様で、結局特定の野心を持つ人間の意見が通ってしまう。こうした情景は明治以降第二次世界大戦終了までの内閣についてのドラマで何度も見てきた(脚本家は日本史(ドラマ)の行動決定パターンをよく知っていたのだろう)。 外国で制作され、外国人俳優が日本人を演じる映画ではやはり日本語が気になるものだが、発音も含めそれほど気になることはなかった(話し方に特徴がある役もあったが、個性の範囲内)。 金子文子役のチェ・ヒソは韓国人女優だが幼少期を日本で過ごした らしい 。当然韓国語のセリフはネイティブなのだが、日本人であることの印(映画的なお約束)として朴(Pak)を Paku と発音する。 いくつかの日本語のセリフは現代的(意図的な演出かどうか不明) 韓国語を直訳して「〜でこそ...だ」という表現は通常日本語には「〜なければ...でない」という二重否定で訳されるが、複数箇所で直訳をしていた(これも意図不明)。 大正時代だが、奇妙な侍の格好をした2人が現れる。役者という設定なのか、スラップスティックなのか不明 金子文子が朗読する詩とテキストには時代精神が感じられる(らいてうの時代ですね)。 監督は「王の男」のイ・ジュニク(이준익)

Experimentos de Pan de Secale

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Io ha facite experimentos pro facer bon pan de secale con un machina pro facer pan (BB-HA10 Zojirushi).  Toto le experimentos es con sucro: 4g, sal: 5g, levatura sic: 3g, aqua: 190ml & con le modo de facer 'pan francese'. ホームベーカリー機(象印BB-HA10)で、通常レシピよりライ麦の量を増やしておいしいライ麦パンができるかどうか実験してみました。すべて「フランスパンモード」で、砂糖は 4g、塩は 5g、ドライイースト3g, 水は 190ml です。 Si secale o frumento integre cresce, pan se expande minus. ライ麦や全粒粉の量を増やすと膨らみが悪くなります。 Ma a proposito del gusto, io sentiva que le rata de medie secale + frumento integre + frumento blanc es le melior pro humiditate e aciditate. しかし、膨らみは悪いものの味の点では(好みの問題ですが)酸味があり、しっとり感があるライ麦半分で強力粉(ふつうのパン用小麦粉)と全粒小麦粉を半々にしたあたりがよさそうな感じがします。 Photo 写真 Ingrediente 構成 Vol. 膨らみ Acid. 酸味 Amar. 苦味 Humid. しっとり ライ全粒150 全粒粉140 Sec.(Int.):150 Fru.(Int.):140 - + - ± ライ全粒150 全粒粉70 強力粉70 Sec.(Int.):150 Fru.(Int.):70 Fru.(Blanc):70 ± ± - + ライ全粒 100 全粒粉 95 強力粉 95 Sec.(Int.):100 Fru.(Int.):95 Fru.(Blanc):95 + ± ± ± ライ全粒140 全粒粉50 強力粉100 ...

語学通信簿 (2018)

現時点の語学(英・仏・西・伊・葡・中・韓・独)の習熟度について自己採点(相対評価)してみました。英・仏以外の学習は「テレビで〇〇語」プラスα(読書など)ぐらいのものですね(葡は西のおまけ、中韓は教室通いも)... 語彙 英>仏>西・伊>葡・中>韓・独 西・伊、葡は英仏語彙 および相互の語彙の類似を利用できる。 中は日本語の漢字の知識を利用できる。 韓は日本語の漢字語の知識を利用できるものの固有語のほとんどが未学習 独は英語彙 の知識を利用できるものの固有語のほとんどが未学習 文法 英・仏・伊>西・葡・韓>中・独 英は(言語学者が研究している)ネイティブしかわからない文法とか多そう。 ロマンス語系は接続法の使い方をテストされるとあかんような気がする。 韓は口語的な助詞の用法とかわかっていない... 読解(速読・大意把握) 英>仏>中>西・伊>葡>韓・独 ほとんど語彙力に依存 中は漢字の速読で大意をとれる。 読解(辞書を使った熟読) 英>仏・韓>伊>西>葡>中・独 韓が日本語との類似から躍進 ロマンス語内の序列は経験上の印象(仏からの乖離度?) 聞き取り(単語・意味は問わない) 伊・西・独>英・仏・葡>韓・中 伊・西・独が日本語の音韻との類似性から躍進(単語も比較的長い) 韓・中は有気音・無気音の聞き分けが難しい。 中は声調の問題が... 韓はパッチムが聞き取れない(単独では多くの場合ネイテイブでも無理)。 聞き取り(文章理解) 英>仏>伊>西>葡・独>中・韓 速読に近いものの、単語の聞き取りの容易さで順位が変わる。 仏のニュースは概ね聞き取れる水準(年金のなんちゃらとか国内政経問題は無理)。 伊のニュース聞き取りはかなり怪しい。 アクション映画とかは英でも無理。 発音 伊・西・独>英・仏・葡>韓>中(漢字テキスト) 伊・西・独>英・仏・葡>中(ピンイン)>韓 概ね単語の聞き取りと同様 韓は有気音・無気音や連音規則に注意しつつ読むのが難しい。 英は今でも辞書をひくとそんな発音だったのかと驚かされることがよくある。 会話 英>仏>伊>西>韓>葡・独>中 会話では知っている単語だけ使い、知らない単語は聞き返せる。 葡の語彙は passive vocabula...

チャヴ

チャヴ 弱者を敵視する社会 オーウェン・ジョーンズ 著 依田 卓巳 訳 Chavs: The Demonization of the Working Class (2011) 海と月社(2017)を読みました。 大筋は現代イギリスにおいて 労働者階級(特に若者)が Chav と呼ばれており、残りの人々の嘲笑の対象になっている 背景として、サッチャー政権(保守党)からブレア政権(労働党・ニューレイバー)に続く 新自由主義 が鉱工業を崩壊させ、自己責任論とともに労働者階級をケアしなかったことにある ということかと思います。著者は、労働者階級が国策の結果困窮しているのに国中で嘲笑の対象にしていることに怒っているわけです。全体的にイギリスの社会状況に深く根ざした現象であるように見えますが、以下日本と比較してみます。 Chav vs. マイルドヤンキー マイルドヤンキー は(概ね世襲するのでその点で階級といえるかもしれませんが)、メディアでそれほど取り上げられてはいないようです。鉱工業の従業員と関係するイメージもないようです。 労働者階級 イギリスの「労働者階級」は18世紀以来の歴史があり、この本で書かれていることが合っていれば、徹底的な(新自由主義による)階級闘争によって壊滅させられたというかなり特異な位置づけを持っているようです。日本でも炭鉱はなくなりましたが、工業はイギリスよりは健在のようです。ただ、グローバリゼーションによる産業空洞化や、新自由主義による非正規化の波はどちらの国でも押し寄せています。 労働党と日本の野党 産業構造の変化で旧左派政党が壊れていったのは同じです。日本では政権交代が機能しなかったので、新自由主義の野党がそれほど大きくなるという事態はまだ見ていません。 自己責任論 日本ではおそらく21世紀になる頃から人口に膾炙するようになった気がします(2004と2015の人質事件のせいかもしれません・ Google Trends )。全般的にはサッチャリズムを源流とする新自由主義の流れがあったということですね。 日本の未来? この本が取り上げている問題の本質がイギリスの階級意識とサッチャリズム以降の新自由主義だとすると、前者については日本の階級意識に規定され、後者は一世を風靡したものの現在主流かというと微妙なので、...

2010年代の国内時勢

数年以上続いた不安の時代、つまり、自己陶酔と他者への憎悪が社会を覆い、事実と論理が疎んじられる社会が到来するのではないかという恐れを持って過ごした(私はビビリ)時代からようやく抜け出られそうな気配が感じられる昨今、警戒と記録のためにこのメモを残すことにする。 この時代の背景には3つのグループが識別できる:1) ネトウヨなどのヘイトモンガー( Hatemongers ・以下HM)、2) 日本会議などの復古主義団体(Reactionary Groups・以下RG)、3) 安倍政権である。これら3つのグループは、別々の行動原理を持ちながらも互いに補強しあってこの時代を形成したと考えられる。 ヘイトモンガー(HM) 2011年ごろにはTwitter がおすすめするつぶやきや Yahoo ニュースのコメントなどの中にヘイトスピーチが多く見られるようになり、知り合いの中にもそうした主張をコピーするものがみられるようになった。街路では嫌韓デモが発生し、書店も週刊誌の吊り広告にも嫌韓・嫌中のコンテンツがあふれるようになっていった。一部のコンテンツは金銭目的で作られていたのかもしれないが、HMは確実に存在していた。 HMの勃興の理由の一つは、新たな「事実」の発見であったように思える。例えば一部の人々が不公正に補助を得ているという噂がネット上で広まり、そうした人々にヘイトスピーチが向けられた。また、歴史に関しても「自虐史観」で語られてきた一部の歴史は間違いで、より「正しい」歴史があるという言説が流布された。こうした噂や言説は新しい「事実」にもとづいているということから、高学歴の人々も惹きつけたのである。 もうひとつのHMの隆盛の原因は、日本の経済が不安定に推移する中、自らを国家と同一化し、そこに所属、同化しない者を貶めることで、心理的な報酬を得ることができたということがあるだろう。 HMはその後、以下のように想定される理由により少しづつ目立たなくなっていく。 議論の成熟化:当初ヘイト・スピーチに準備できていなかったネット世界やその他メディアも、カウンターの事実や議論で均衡をとることができるようになった。 リアル社会ではカウンター団体が行動する一方、政治の世界でも 反ヘイト・スピーチの法律 ができるなど、包囲網ができた。 日本の新しい位置づけに人々が慣れ...

西安旅行まとめ(总结)

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第四天 から続く 最後の日は早朝便、上海経由で帰国しました。特に何もなく 。 西安の空港で前の方から走ってきたおばあさんに搭乗口を訊かれて、方向を指したら感謝されたので、今回の旅行はおばあさんに感謝される旅行だったのか(上海の空港でもオランダ人の老婦人と話したし)... 経済・社会 30年前の中国は別の惑星でしたが、今は世界中どこでも均質化が進んでいます。東アジアは特にお店とかの感じが似通っていますね(中国は建築物に巨大なものがあり、圧倒されますが)。 キャッシュレス化が進んでいると聞いていたのですが、今のところはキャッシュだからといって(自転車は借りられませんが) それほど困ることはありませんでした 。フードコートで微信での支払いを求められましたが、後ろのサービスカウンターで支払いカードを買って事なきを得ました。以前から フードコートは個々の店では現金を扱わない仕組みだったところに 微信での支払いが追加された形です。土産店ではお客さんが例によって「私が払う」競争をしていましたが、それぞれスマホのアプリをお店のリーダーにかざそうとしていました。たぶん最初に読み取られたスマホのユーザーが払うのでしょう。 今回旅行前に 微信支付(WeChat Pay)のアカウントを作ろうとしたのですが、日本のクレジットカードとの 紐付けがうまくいかず、中国国内での銀行口座作成も中国の携帯電話番号が必要ということで断念しました(自分の携帯がSIM-Freeでない...)。 中国はみんなが使う公共交通機関や日々の外食がまだ著しく安い一方、使わなくても生活できるカフェやレストラン、観光地の入場料といったものは日本以上に高いですね。ある意味二重経済なんですが、ユーザーは適宜使い分けているようです。日本でも高級レストラン行く人でも牛丼チェーンも利用するでしょうし、高級デパートで買い物する一方100円ショップ行ったりもしますね。中国の格安経済の方はなんらかの補助があるのかもしれません。 中国語 日本語−仮名≒中国語(書き言葉の単語レベルでは :-)なので日本語の読み書きができる人は中国との交流では結構有利なところにいると思われます。 今回は話す方もなんとかなったような気がします。宿のお兄さん(主人)は私の詐術にはまって私が中国語を理解できると勘違いしたようで、ずっと中国...

西安旅行第四天

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第三天 から続く 三日目の朝は前日の夕食の弁当の残りを食べた後、近くにある小雁塔へ出かけました。 小雁塔に併設されている西安博物館収蔵の珍しい鉄製の仏像(唐代) その後、さらにその近くの密教のお寺、空海も学んだ大興善寺へ。かなり大きなお寺です。 空海像 大黒様は 密教の神様 らしい... 金色の羽の生えた豚みたいなものはなんだろう...コウモリ? 最後の訪問地は地下鉄で3駅移動したところにあるやはり空海ゆかりの青龍寺。 青龍寺近くの若干ヤバそうな(失礼!)街路... おそいお昼は、宿の下のフードコート「小吃城」で地元名物 ビャンビャン麺 (12元)にありつきました。 超幅広麺をさいの目切りにした野菜と唐辛子スープで和えていただきます。 蕎麦湯みたいなものがついてきます。 「小吃城」には見たことのないような食べ物の 屋台風 専門店も多くあり、できればみんな試してみたいと思いましたが、それには何週間か滞在する必要がありそうです 。 夜は王府井百貨のデパ地下へ行って食べ物を物色しました。パン売り場で謎の食べ物 (写真) を発見したので、〆はそれを食べてみることにしました。 ソーセージかっぱ巻きというか恵方巻きのご飯を少し甘みのあるパンのラップに置き換えたものでした。 まとめ に続く